アンドラーシュ・シフさんのコンサート
昨夜は、Sir András Schiff さんのコンサートに行ってきました。
アンドラーシュ・シフさんはハンガリー生まれのピアニスト。
場所は、Rudolfinum(Dovorak Hall、チェコ・フィルの本拠地です)。
全4回のピアノプログラムの最終回(わたしが行ったのはこの1回だけ)でした。
ちなみに、私はルドルフィルムはあまり好きではありません。
はじめてのとき、受付のおばさんに目的と違うコンサートのチケットを
買わされてしまい、疲労がピークの状態で鑑賞。
昨日も寝ていない上に、予定外の遠出をしたため
心も体もしおしおでした。劇場へは健康な状態で行くべし。
しかし、もともとチケットがSOLD OUTで買えなかったため、このコンサートに参加できたことに感謝。今日の音楽体験は、またひとつの宝になりました。
スタンディングで見るから!って主張するぞーと入口でスタンばっていたら、
おじさんが話しかけてきた。
英語であやしげーと思いつつも、
(彼らはドイツ人だった。)
息子が病気で…!と訴える。
チケット代、そんなに高くないと言うが、400CZKは学生には高いぞ〜〜。
でも深く考えずに彼らに支払って買いました。
席に着いたら「Oh! Hello again」っておどろかれて、
自分が売った席なのに、なんなんだ。
ひとりはピアノを弾く人らしく、すっかりなりきって一緒に弾くマネをしている。
左のおばさんは演奏中に拍beatをとったり!なんでそんなことをするのかわからない。
コンサートなんだから、お願いだから、聞こうよ。。。
前席のおばあちゃんと女の子は見ていて温かい気持ちになった。
ときどきおばあちゃんが女の子の顔をのぞきこんだり、女の子が目でおばあちゃんに合図したり、おばあちゃんは女の子の手をぎゅっとにぎってあげる、そして肩をひきよせてぎゅっとだきしめる。
プラハの観客は、いいんだか悪いんだかわかりません。
(マナーがくるっているのは観光客なのかも?)
まず、今日の私のように必死になってチケットを手に入れているというのに、
ふたをあけてみれば、空席が多いのである!
観客層はおじいちゃん・おばあちゃん・10代の若者たち。
若者もスーツにドレスアップで、さすが伝統ある劇場。
それから解ってきたことは、プラハの観劇においてもっとも大事なのは、
ー休憩時間にワインを飲むこと!おしゃべりすること!ー
おじいちゃん、おばあちゃんたち、演奏中の一瞬のすきをねらって一斉に咳払い。
シフさんが弾き始めようとした瞬間、表情をゆがめて顔の前で手を合わせて、静寂をくださいとお願いするような一場面もありました。
アンドラーフ・シフのAとSから、
「羊飼い」を思い浮かべました。
(キリスト教ではイエス・キリストを「善き羊飼い」、人間を「羊」と例える。)
彼が修行僧(monk)のように見えて、
彼の演奏は祈りだと感じられて、
ー芸術家は神さまのお使いなんだー
わたしは特別な宗教を持っていませんが、
幼いころキリスト教の幼稚園に通っていたからか、
「神さま」というものが潜在意識にあります。
演奏曲はこちら。
1-Wolfgang Amadeus Mozart Sonata No.18 in D major KV576
Allegio/Adagio/Allegretto
2-Franz Schubert Sonaata No.21 in B flat major D960
Molto moderato/Andante sostenuto/Scherzo.Allegro vivace con delicatezza/Allegro ma non troppo
3-Joseph Haydn Sonata No.62 in Eflat major Hob.XVI:52
Allegro/Adagio/Finale.Presto
4-Ludwig Van Beethoven Sonata No.32 in C minor Op.111
Maestoso.Allegro con brio ed appassionato/Arietta.Adagio molto,semplice e cantabile
(プログラム冊子より)
アンコールが、5回も!
1-J.S.Buch
2-Shubert 4 Impromptus No.2 in Es dur D899 Op.90
3-?
4-?
5-Mozart Sonata No.16 in C dur KV545 Allegro
はっきりタイトルが分からなくてごめんなさい。
3・4曲目はとなりの人にも聞かれたけど…検討もつかなくて残念。
うまくいかないこともある。
気づかずに、私から与えていることも、私が与えられていることもある。
せっかくこうして毎日があるのだから。
クリスマスが近づいている。街も人も準備にいそしんでいて、なんだかそわそわします。