”Just la fin du monde” たかが世界の終わり
2日前。映画を見てきました。
チェコでは11月23日〜30日、フランス・シネマ期間。
Juste la fin du monde - 19e Festival du film français en République tchèque
”Just la fin du monde”
邦題「たかが世界の終わり」として、日本では来年2月から公開されるようです。
(英題:It’s Only The End Of The World)
第69回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞したという本作。
Gaspard Ulliel,Vincent Cassel,Marion Cotillard,Léa Seydoux,Nathalie Bayeなど豪華キャスト陣。
監督はXavier Dolan (27歳!なんと同い年でした)。
実はわたし、Léa Seydoux さんが大好きです。
残念ながら、フランス語もチェコ語もまだまだなわたしには
半分もセリフが理解できませんでしたが、
そのかわり、セリフ以外で語られるものをじっくり観察することができました。
語られるフランス語が呼吸として、着飾ることなく入ってきた。
不完全なレビューでゴメンナサイ。
対話のあいだアップで交互に映されるふたり。
ひと呼吸おいてすこしだけ引きで映されるふたり。その心情の隔たりと揺れ。
「主人公」そして「主人公ともうひとり」が順に描かれ、エピソードの層が重なっていきます。
母マルティーヌ(ナタリー・バイ)、兄アントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)、妹シュザンヌ(レア・セドゥ)、もちろん全員が重要人物ですが、主人公ルイ(ギャスパー・ウリエル)とカトリーヌ(マリオン・コティヤール)に独特の関係が強調されているようでした。
そしてはっきりとは姿を現さないルイが昔、愛し合った女性ピエール(名前がうろ覚え)?
時計が象徴になっている。
色、音、カメラワーク...作品に心地よいリズムがある。
音楽がスパイシー&キュート。
映像の美しさと、人間ひとりひとりの表情、しぐさ、存在の深さの饗宴。
予告編:
Bande-annonce officielle : It's Only the End of the World (version sous-titrée anglaise) - YouTube
KINO LUCERNA の大ホール、
とってもすてきなシネマでした。
階段を上がって、カーテンをめくるとレストランがあって、
レストランをぬけると劇場。かけぬけていく人々。
予告編では誰もおしゃべりをやめるつもりはなく、本編がはじまって
だれかがシーッと言って、300人くらい(かな?2階席もある)が静まりかえりました。
ときどき笑い声、語り合う声、電話の呼び出し音、
それらも映画の一部のようでした。
チェコとフランス。
大勢で映画を見るのも久しぶりで、
美しい映像と実力ある俳優たちを眺められたので満足です。
帰りに寄ったスーパーのワイン棚の通路でカップルが熱いキスを交わしていました。
映画を見た後は、見えるものがすこしだけドラマチックになります。
朝は、レッスンでした。
8:30から週1回のL先生のレッスン。
レッスンは2台のピアノで行われるのですが、
先生の使うピアノのふたをあけたら、鍵盤がない・・・。
そっとふたを閉じましたが、黙っているわけにもいかず、
すると先生も、信じられない、今日はコンチェルトの生徒が2人いるのに。
と嘆く。
そこで、地下のホールへ移動。
状態の良いスタンウェイ2台。なんてぜいたく。
途中で怒っている先生が入ってきてL先生もため息をついたり、
ハプニングだらけでしたが、
Mozart のSonataの3楽章を終え、1楽章から再びさらって、
まだいいのかな?と、とても長く感じられた90分。
来週までに暗譜してくるように、とのこと。
先生に褒められる音。
自分でも変わったとわかる音。
もがきながら、悩みながら、重ねる音の数は
無駄ではない。
生まれては消えていく、
無数にあって永遠につづく、星のよう。
嬉しくて、ヴァルダヴァ川沿いのトラムの駅を2駅ぶん歩きました。
普段は最寄駅でうつむいて立って待っているわたし。
1日のおわりに。
さまざまな表現手段、さまざまな表現意欲
が、あってこそのわたし、なんじゃないか。
わたし、でいいんじゃないか。
むしろ、それを活かさない手はないんではないか!と。
映像をつくったり、フィルム写真を撮ったり、
お話を書いたり、絵を描いたり、
寝なかったり踊ったり、
走って、狂って、
メチャクチャになりながらも
必死になっていた
何人もの自分。
すべて、嘘ではなかった。
と、今になって思い起こす。
昔の自分も、今の自分もだいじにして、
これからおもしろくなるぞ、わたし!
もうすぐ28歳になります。