とりさんとチェコのピアノ

Ptáček a České Klavír

The Zookeeper's Wife - Úkryt v Zoo

何かが空気中に漂っているような気配、4月のはじまり、春。

 プラハ1区を中心に大規模なマラソン大会が行われていた。BISTROで花びらのケーキとEspresso Maciato。向かいのグラフィック・ブック・ショップ をのぞくと、老齢の白い犬が眠たそうに寝そべっていた。Sさんと小一時間ほどお茶をした。メドヴニーク・ケーキとCerny Caj。朝からおやつばかり食べている。空に縦にまっすぐ飛行機雲が光っていた。

家に帰ってピアノをすこし触ったのち夜の街へ出て、映画鑑賞。21:00にはじまり23:30にスクリーンから出た。学生149Kc。土曜日の夜遅くというのもあって、10数人ほどでとても静かに見た。1943という数字がこんなにもつらい。人が人を思うということ、大切な人がいるということ、を考えた。愛する、ということができるから、人間でよかった、生きていてよかったと思うのかもしれない。動物の動きや色彩はみごと。子どもたちの絵、ユダヤの星に託された光。この夏、ウィーンとポーランドはぜひ訪れたい。Vinohradyを歩く。独りで私は人々のうごめきに触れている。自分の存在を考える。私はここでとつぜん警官に引き連れられたり命を脅かされることはない。黒い髪と黒い瞳を持つ。アジア人であることで差別を受け、自由を奪われることはない。友人がいる。チェコ語や英語で会話を楽しむことができる。私の名前はパリに生きた然るポーランド女性の名だ。 聞かれても答えられないことがたくさんある。知らないままでそのままにしていることがたくさんある。ゲットーとは何か。シナゴーグとは何か。ユダヤの文化とはどういうものか。割れたビンのガラスの破片がきらきら光るような痛みをともなう輝き。そんな音を残したいと思う。

物語はワルシャワ動物園でユダヤ300人をかくまい、動物を守った飼育員夫妻の実話がもとになっている。原作の邦訳は『ユダヤ人を救った動物園 ヤンとアントニーナの物語』。監督はNiki Caro氏。

The Zookeeper's Wife - Úkryt v Zoo

http://www.focusfeatures.com/thezookeeperswife

 おまけ:上映情報を探すのに使いやすかったプラハのイベント情報サイト  Go Out  https://goout.net/en/prague/